コロナショックの折、「痛い」急患が目立っている。
この方もそうだった。
いつも腫れて痛くなるそうです。

近所の歯医者に行って、投薬されてとりあえず痛みが治った状態で抜歯希望での来院です。

見て下さい。奥の方に白いボールが見えていますね。これが、親知らずです。

今は、腫れていません。

腫れていると、赤くなり、触ると痛いとなっています。そういう状態の時は、組織が酸性に傾き、麻酔薬が効きにくく、腫れによって筋肉が強張り口も開きにくくなるので抜歯は、出来ません。

今日は、腫れがおさまっていたこと、予約状況に余裕があったこと、また遠くから来てくださったということもあり、その場で抜歯を決めました。

早速、パノラマレントゲンを撮影、見てみました。
これが親知らずです。横を向いていますね。また、下顎の神経に近いことがわかります。
危険を感じ、より詳しく見ることのできるCT撮影をしました。

黄色い歯が青い神経の管に刺さっています。
普通に抜くと神経を触って「麻痺」が起こる可能性があります。

保険で、抜歯用にCT撮影が可能になり、親知らずの頭だけを取り自然に萌出させて(=移動する)神経との距離を確保してから残りを抜歯するという方法を希望されました。

頭の部分だけをスポット抜きました。
だいたい10分くらいでしょう。神経伝達麻酔という、テクニックを使うと痛みなくスッと抜歯可能です。
もちろん、状況によりますけどね。

つまり、赤いところだけ抜歯します。

半年もすれば、矢印の方向に歯が移動するので、神経とは距離を保つことが可能です。自然に動く分には、麻痺は起こりません。

親知らずの萌出力、人によりますけど、35才くらいまでなのです。なので、この方法で抜くのは、35才を目処にしています。もちろん、やってみて 動かないこともありますよ。個人差があります。

コロナショックの折、不要不急の外出は控えるように言われていますが、
親知らずを抜く方にとっては、腫れの収まった重要な時期だったようです。わざわざ遠くから来てくださったので、その場で対応させてもらいました。

ネットで調べて、安全に抜歯をしてくれそうな歯科医院を探して見つけてくれたそうです。^_^
そいう言葉って嬉しいですよね。明るい話題を提供してくれました。
メスを使わずに抜いたので、縫うこともしませんでした。なぜなら、「不要不急の外出」を控えてもらうためです。

その代わりに15分程度待合室で待ってもらい。止血確認をして帰宅してもらいました。コロナが落ち着いたら、歯周病のチェックに来て下さいね。と

ハートフル歯科では、親知らずの抜歯を本人の希望、基礎疾患を持つ方を除けばほぼ全て院内で行っております。

「歯を抜くのが得意」というのは、あんまり好きじゃない。なんでも抜かれそうだと勘違いそれそうです。
基本は、自分の歯を大切に!
親知らずに関しては、抜歯の方が他の歯を大事にできるケースが多いと思います。

歯ブラシも届かないし、腫れやすい。虫歯にもなりやすい。手前の歯に悪さをしかねない。
35才までに抜歯することを勧めることが多いです。
もっとも無理強いはしません。

人によって生え方が違います。
その歯を残す
「メリット/デメリット」を説明する。

が正確な表現ですね!

何かありましたら、ご連絡下さい。

全ては患者さんの笑顔の為に・・・

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科