銀歯の下の破折を診る
最近、痛みというか違和感があると患者さんが訴えることがありました。
電気的刺激検査、冷感刺激検査の結果、神経はほぼ死んでいるだろうと結論つけ、年末ということもあり取り急ぎ麻酔抜髄を行った。
銀歯を外すとそこには白い線が見えた。
この写真は、便宜的に黒のマーカーを入れてある。
根っこの奥深く線が落ち込んでいることがわかる。
銀歯はすり減らない。天然歯は、すり減る。
装着時は、しっかりと調整されていても時間が経過するとすり減る。
天然歯がすり減り、銀歯はすり減らずに残る。
相対的に高くなった場合はどうなるのだろうか?
簡単に言うと徐々に強く歯が当たるようになり、バランスを崩しているが気づかない。そんな状態になる。
分かり易く例えると
片足に革靴を、反対側に運動靴を履いて歩いたらどうなるだろうか?
バランスが悪いと思いますよね。膝や腰が痛くなることは、容易に理解できます。
そして銀歯が楔状に歯に突き刺さる形になるので、破断してしまう。
これが銀歯の長期症例に破折が多い原因だとと考えている。
歯の治療も隣や噛み合わせの歯とのバランスで時間軸は経過する。
それを考慮した歯科治療提案したい!
一年で終わる人生は少ない。10年以上の先を見据えた歯科治療の必要性についてみなさんに考えて欲しい。
人生100年時代となった。歯科でも長期間の予知性を加味した治療が望まれる。
その為当院ではすり合わせが天然歯と近い、セラミックをオススメしている。
歯の素材は硬過ぎても柔らか過ぎても、バランスが悪くなってしまうものです。
僕は歯科治療を通じ、患者さんとの10年先の未来を笑顔で共有したいと思っています。
年末になり来年の準備を始めている。一月二月はコロナ第3波で時間が出来るだろう。
その時間を利用して、また本を書こうと考えた。
ハートフル歯科の書籍第二弾として、ミナ先生が「歯科のAi、リモートマウスピース矯正」という本を書くサポートをしている。
少し形が見えてきたので、第三弾も真剣に検討していきたい。
来年もみなさんどうぞよろしくお願いします。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義