“左側で食事をすると違和感がある”と来院。

数年ぶりにお会いする親しい患者さん。
「コロナもあって大変でしたね。」
まだまだ余念は許しませんが、無事で何より。といつもの会話。

全体的なレントゲンを撮る。

・むし歯はない。
・根腐れもなさそう。
・親知らずが生えてくる年齢でもない。

??

打診をしてみる。

トントントン。ノックみたいなもの。「入ってますかぁ?」って
別段、どれが痛いとかない。

あえて言えば、銀歯らしい。

「食事の後、銀歯あたりが痛い」と主訴を訴える。

しかし、歯科医院内では食事をするわけでなく再現性のない痛み、違和感と言えるだろう。

噛み合わせのチェックをする。

左側6番の上下の銀歯が強く当たって、銀歯の表面がピカピカになっていた。

銀歯は、硬いのであまりすり減らないもの。

しかし、銀歯同士なのですり減ってきていた。

銀歯は、3本(真っ白く写るのは、銀歯)
自分の歯の28本中、3本だけ銀歯という事だ。

25本は天然歯。すり減りやすい。
3本は銀歯。すり減りにくいはずなのにすり減っている。

相対的に銀歯が強く当たっている状態と考えられた。

ゆっくり順番に説明した。

その結果1番当たりの強そうな、画面の右下6番の銀歯を外す事になった。

それが、この歯だ!



当たっている所を色付けしてみたら、こんな感じ。

外した銀歯で、再度説明を繰り返した。

これで楽になるようなら、3本の銀歯全てをやり直す話となった。

金属の心棒(土台)ということもあり、破折のリスクが高いこともやり変える理由としてあげられる。

銀歯を無理に外す事はしないが、こういう違和感、不定愁訴として明らかになってきた場合はやり変えることをお勧めしている。(こんな時にしか、なかなかそこまで踏み込んだ話題はできません。)

同意のない歯科治療は、「悪」だと思っている。

患者さんの30年後の未来を見据えて、トラブル予防の提案もするようにしています。

全ては、患者さんの笑顔のために・・・


下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科