ISCDセレックトレーナーコースを終えて(飛行機の中で)~


82530日の5日間のお休みをいただき、カナダのバンクーバーでISCDセレックトレーナーコースの受講と試験を受けて参りました。セレックの接着の講義や新しいブロックの紹介、テクニックの養成が中心かと思いきや、プレゼンテーションでの話し方やパソコンを使用したスライドの作り方なども同時に学びました。

セレックトレーナーとはその言葉の通り、そもそもセレックの使い方を教え、指導者の養成講座なので指導の仕方を学ばなくてはいけないのです。日本でセラミック治療の素晴らしさを伝える伝道師として活躍してほしいという内容になっておりました。

セレックのすばらしさ、それは一日で治療が完結するだけでなく、美しく、虫歯や歯周病になりにくい材質となっております。長期的な予後も含めて素晴らしいシステムです。今後も進化するセレックを治療に生かし、三鷹、武蔵野の地域の皆様にその素晴らしさをお伝えするだけでなく、学んだものを歯科医師の先生方にお伝えすることでセレックを広め、日本の歯科医療のレベルUPに貢献していきたい思いました。

日本の歯科医療が世界と比べて低いと言っているのではありません。
もっと良くすることができると思っているのです。 


今回、世界からセレックトレーナーを目指し54人の新しいトレーナー受講者が参加しておりました。



 
各国を代表する先生方を指導するのはISCD会長ウイスラー教授はじめ、開発に携わる欧州審美歯科学会会長ドイツのライス教授やオーストリアのニューマン教授など世界的に著名な先生方です。直接セレックの良さが伝わる熱い話を聞いて参りました。

   
 
英語は苦手ですが、そんな僕のような人のために資料配布があり、新しい材料の紹介や将来的な歯科のIT化の開発の方向性などが書かれていました。来年以降発売されるであろうソフトウェアを含めた指導法なども後で復習できるように話して下さり、読み返すことができるよう作られていました。

このISCD(国際コンピューター歯科医学会)の活動は、セレックの素晴らしさを伝え、各国の指導者を養成する学会です。そこに参加している先生方は、日本の草間先生を筆頭に井畑先生、江本先生などで、既にトレーナーになっていらっしゃる先生方には、そのDNAがしっかりと受け継がれています。そして、この学会では何も隠すことなく、きちんと知識、最新の情報を教えていただけました。医療の中で非常に重要で先人の経験から習うことでしか分からないことが多く、実験的な医療ができないからこそ、必要なことです。僕のセレック治療の不安や不信を安心と自信に繋げていただいた、このJSCAD(日本CAD/CAM歯科医学会)に恩返しをしたいと考えるようになりました。 

   

とかく、もうけ主義と言われがちな歯科医師は、意外と自分だけもうければ良いと、一人でコソコソもうけているような先生方が多いというのが僕の感想です。その中で言葉の不自由な僕に世界への道を作り、セレックを初めて2年ではありますが、このような舞台へ上がる機会をいただいたことで特に草間先生には恩義を感じ、今後は僕の少ない経験を踏まえて歯科医師への教育の舞台へも進んでいけるように努力していきたいと思っております。

人は、人に教えようとするときにしっかり学びます。嘘をつけないからです。

「ほんものの歯科医療」を考える僕にとっても知識の整理するチャンスです。

僕は過去に先生から色々な指導を受け、ここまで成長できました。僕に指導していただいた全ての先生に感謝しております。その感謝はどんなに言葉を尽くしたとしても、その思いを伝えることはできません。

  
15年前に総義歯で有名な先生に教えていただいた言葉があります。


10人に教えて、1人答えてくれれば嬉しいと。その一人が先生であればもっと嬉しいと」


全国を歩き、本を書き、多くの歯科医師に影響を与えたその先生は、裏切られたことが多かったと感じていた時期もあるそうです。しかし、今は自分の思いに答えてくれる先生がでてきたから報われているとも話してもいただきました。そしてなぜ嫌な思いをして、時間を浪費してもなお全国に講演に行くのかと聞くと、「日本中の入れ歯で困っている人の治療は、自分一人ではできないだろう。」と言われました。「足が悪くて通いたくとも通えない老人も多いのだよ。」と答えていただきました。僕もセレックで多くの人にほんものの歯科医療を提案していきたいと考えておりますが、自分一人で日本中の方にそれを行うことは、できません。

今回のISCDのトレーナーコースを修了して、セレックの指導者として歩いていくチャンスがでてきました。

僕の感謝の思いを形にして、間接的にではありますが、全国の皆様にこの素晴らしいセレック治療を行うことができれば、今回のISCDに参加した意味があると思うようになりました。
そう、これがこのISCDの成果だと思って帰国します。


今回誘っていただいた草間先生、北道先生はじめ一緒に参加した日本人の先生方から多くの学びがありました。歯科医療に世界との境界線はありません。健康で幸せな人生が送りたい。いっぱい笑い、いっぱい食べて、楽しく生きる。その為に絶対的に必要な歯を守るために、僕は今後も生きていこうと思っております。

  


医療法人社団徹心会ハートフル歯科