偶然知った、VPT治療の素晴らしさ!
VPTとは、Vital Pulp Therapy のことで、従来だと、虫歯がひどく神経まで到達するギリギリの時に、症状がないけど神経を取っていたのですが、この方法だと神経の8割を保存することが可能になります。素晴らしい方法です。(詳細は、別記)
VPTという、治療を初めて半年がたちました。数十症例を手がけ、多くの方の神経を救うことができました。
論文ベースでは、神経細胞の培養を通じたり、人間に行った治療経過を追った研究を通じてもVPTの治療は、確立されています。
しかし、臨床的にこれは、すごいと思いにくい治療でした。
まだ、痛みのない深い虫歯を、直す治療なのです。
元々痛くない歯ですから、痛くなく直すのは、当たり前なのです。
そこが凄く分かりにくく説明がしにくい!
一歩間違えば、
「痛くない歯を歯医者に勝手に削られ、金取られた!」
「痛くない歯を削られ、痛みが出た!」
と、言われかねない。
そんな不安を抱えながら確実に痛みの症状を発生させないで治療が終了していきます。
痛みが出たら、 翌日に神経を取る治療に変更になります。
なんか説明しにくい、誤解を招きやすい。そんな治療でした。
先日、虫歯の虫歯の深い患者さんに神経治療ではなく、VPTで神経の8割位が、保存出来る方法をお話しして行いました。
翌週、セレックワンデーを、行い被せ物まで完了した患者さんがいました。
2回目の来院で、治療は、終わります。
その時、歯を眠らせる麻酔のかかりがあまかったらしく、形を調整しようとしたその瞬間。
「痛い!」
とおっしゃいました。
そう、VPTした歯が、痛いと言ったのです。神経を1部切断してMTAというセメントで封鎖する治療を行った結果、残りが生きていて生体の正常な反応を示したのです。
神経繊維を1部切断しても歯の機能が残っていたのです。
確信出来た瞬間です。
もしかして、神経が壊死して痛みがでないのかもとか不安を抱いていた。
僕の学生時代には、なかった最新の神経保存療法だからです。
神経を、保存する大切を感じながら、18年歯科医療にたずさわり、VPTを学び、この半年導入してきました。
今回のふとしたアクシデントから、本当に神経が保存されている事実に直面して、「医療の進歩」を感謝するに至りました。
神経の保存を考えているのであれば・・・
「虫歯が深い!」と言われた時にVPTの取り扱い歯科医院へ行って下さい。
歯の神経を保存してもらえます。
まだまだ、勉強不足です。
世界には、日本に認知されていない治療法があるはずです。
これからも真摯に患者さんと向き合っていきます。
全ては、患者さんの笑顔の為に・・・