新年が明け、8日目。
仕事の事を忘れゆっくりしていた年末年始のお休みモードから仕事モードに戻すべく、10年後について 考えてみました。
1番気になる、10年後の歯科界について考えてみました。
                    
「今後、10年先の日本の状況、歯科界の状況がどうなるのでしょうか。」

僕には、未来の事は分からないのですが、
普遍的なものから予想したいといつも考えています。

最も明確なことは、先進国でも日本が類も見ないくらいのスピードで急速に、
少子高齢社会に突入していることです。

2010年、65歳以上の人口が総人口に占める割合は、23.1%。
約4人に1人が高齢者になります。
そして、2050年は35%を占めるようになります。
約3人に1人が高齢者ということになります。

また、2010年の出生率は、1.39.。
人口の維持には、出生率が2.07が必要とい事実。
もうこの先 、
日本の人口が減少していくことは決定的です

具体的には、2010年は12800万人でしたが、
2050年には8833万人にまで減少すると予測されています。
その時に
私は、80才。
もう現役は退いていることでしょう。

これは、間違いないこと。

また、これは働くスタッフも同様。

ドクターや衛生士などの有資格者は言うに及ばず、
アシスタントなどの無資格者であっても、
若くて優秀な人材のの新卒採用はさらに厳しくなります。

顧客獲得ばかりでなく、
有能なスタッフの採用確保さえも、
更にあやぶまれる時代になってきます。

昨年、3月8日発表した1月の経常収支は、
過去最大の4373億円の赤字。
貿易立国の日本の今後の成長に、
赤信号が灯りました。

そのため国力が低下し、
健康保険や年金などの社会保障制度もほころび始めています。
そこで、今後医療費の一部負担金のさらなる増加それに伴い、
受診抑制が起こることも予想されます。

更に、厚労省と文科省で決められている歯科医師の供給に関して、
歯科医師過剰問題は、全く解決されていません。

何故なら、医師におけるあらゆる診療科全てを
賄わなければならないにも関わらず、
医学部定員が9000人しかいません。

歯学部では、単独なのに定員が2500人もあります。
国家試験で合格を絞ってやっと2000人にまで
新卒の歯科医師数を減らしているのが現状です。

しかし平成22年、歯科医師数が10万人を突破。
今なお急激に増加しています。
現在コンビニの1.6倍。
約68000件の歯科医院が存在します。
日曜診療や、深夜診療を行う歯科医師も増加。
東京都内では、1日1件ペースで廃院に至っています。

具体的には、歯科医院数は、
平成2年から平成20年にかけ、3割増加
その間、医療制度改革(保険請求制度)で
歯科医療行為当りの診療平均保険請求金額は
15%減少。(収入減)

それは国民医科医療費総額が、
20兆円から30兆円に増加したにも関わらず、
国民歯科医療費は、2.5兆円のままで
歯科医院数が増えたからです。
国民歯科医療費(保険請求金額)が、
相対的にかなり減額されています。

その結果、歯科医師の所得が下りました。
夢のない歯科医師への道は敬遠されます。
私立歯科大歯科部の入試での
定員割れが目立つようになったのです。
2010年の大学入試では全国17校の私立歯科大
歯学部のうち入試競争率2倍以下は、
14校 82.4%になりました。
定員を確保するために、誰でも受け入れていくしかなくなりました。
結果、新入生の学力の低下が問題視されています。
将来の歯科医師の質的劣化を招き、
日本の歯科医療水準の低下が懸念されています。

残念ながら、この先、5~10年は、
この状況が変わることはないと思います。

実際には、現状維持自体が大変な時代に入ります。
少子高齢社会になるにつれ、日本の国も衰えていきます。
歯科界も元気が無くなっていくことなのかもしれません。

厳しい時代になっていきます。

実体はどうなるのでしょうか。
日本人はそれでもまだ1億人の人がいます。

そして、
80才の時の歯牙の残存歯数は増えています。
歯があれば歯科医療も必要とされるはずです。

80才の時に20本以上歯を持つ人は、
1989年では7%程度(平均残存歯数4~5本)でしたが、
2005年80-84才21.1%で、85歳以上だと8.3%にまで伸びてきています。
2007年(平成19年)に出された中間報告では、
それを上回る25%を達成しました。

2015年になる今年は、
もっと多くの方が
80才で20本の歯を持つよう
になっていることでしょう。
(健康日本21中間報告)

日本歯科医療業界は、全体的に暗い話題が多いですが、
日本人の平均的な口腔内のレベルは、
向上しています。
食生活は充実していっているはずです。

今後の日本では、高齢者が増えてくるかもしれません。
それとは関係なく、歯科医師として
患者さんの保有する歯牙の保存に
努めていけば良いのではないかと思いました。

歯の保存にチャレンジしていくことが
大切だと思い返しています。

2015年ハートフル歯科グループでは、
3つの歯科医院に
各種CT4台
マイクロスコープ6台、
セレック3台を備え、
最新の診療体制作りを進めています。
そして、その機材を高度に利用するための
歯科医師勉強会、院外研修は、欠かせません。
また私達から
セレックを使用した欧米式の最新歯科医療
日本全国に発信していきます。

10年後を予想しながら書き綴りましたが、
日本人は歯科医療をまだまだ必要としています。
地域の皆さんに選ばれる歯科医院作りを今年も行っていきます。

必要であれば、新しい事にもチャレンジする。
最先端で、良い医療を提供していきます。

歯の保存こそ。
永遠のテーマなのだと、確信しました。

全ては、患者さんの笑顔の為に・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科