大学を卒業して、6年目の秋
実務経験5年が、受験資格だったので、僕の世代としては、最短でした。
歴史的に見ると、介護保険開始から4年目の話です。
当時、歯科の往診などは、ほとんど存在しなかった。
僕は、勤務医時代から施設へ往診を頼まれ、当時 認知症、多種の感染症にかかっている方の入れ歯の調整や虫歯治療に従事していた。
そのご縁から、15年前より、介護分野への興味を持っていました。
当時は、介護保険制度ができたばかりで仕組みが理解できなかった為に、いっその事、その専門のケアマネジャー試験を受けてみようと思い立ちました。
ケアマネジャーの試験は、当時 医療・介護・福祉の3分野から構成され、歯科医師は、医療分野の一部の問題を免除されるので合格しやすいと言われていました。国家試験があるので、その分野は、大半知っていると見なされていました。
そこで福祉、介護の分野を一生懸命勉強しました。当時は、バリアフリー住宅など新鮮な言葉を学んだことを覚えています。

しかし、その後 介護の分野、往診に携わることができない環境になり、現在に至るのです。
開業して10年間、外来中心に行ってきました。
医院を空けることができずに、介護の世界に入っていけませんでした。

今年になり、歯科医師が増えてきたので新たに訪問分野を15年ぶりに勉強しています。

そもそも15年前は、パソコンもそこまで興味なかったですし、インプラントもこんなにやるなんて思ってませんでした。
思い返してみると、この後の15年間外科に取り組み、インプラントの勉強をしています。
9年前より、CADCAMに取り組みました。

勤務先の状況、結婚、開業、子育てなどめまぐるしく変化していく、僕の環境下で、訪問診療は、できていませんでした。

思い返すと、インプラントやCADCAMよりも縁が深い領域だったようです。
時代は、進み。

介護も入れ歯修理、虫歯治療だけだったはずが、今では、「食支援」と名前を変えて進歩しております。
恥ずかしがらずに、もう一度 勉強し直しています。

 

往診への想い

 

20年前(国家試験当時)
日本人の死亡原因は、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患でした。
現在は、悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患
に変わっています。

その肺炎の多くは、誤嚥性肺炎だそうです。
卒業した頃、歯科は生き死に関わらない。
だから、軽く見られると言われていました。
そうだから、肺炎は、放置されてきたのか??

現在は、誤嚥性肺炎予防に向けて、ミールラウンドという医師、看護師、介護職員、ご家族、(歯科医師)、(歯科衛生士)などが集まり、食支援について各分野が連携して対応しているそうです。

 

往診への想い2

 

まだ歯科界から参加しきれていないようなので、ハートフル歯科としては、今後、参加していければと感じています。
不勉強な分野、歯科大学で過去には、あまり触れられていない分野でした。
今の国家試験では、衛生士国家試験でも必出分野となっているようです。

若手の歯科医師に負けないように、やっていきます。

全ては、三鷹・武蔵野の食支援を必要としている方とその家族の笑顔の為に・・・

 

下田孝義

 

 

 

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科