歯科研修医「ニッケルチタンファイルに関する基礎知識」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
練習を始める前に、使用する機材に関しての事前情報を把握します。
Doctorbook academyや、ヨシダのオンラインセミナーなどを視聴して勉強しました。
根管追従性がよく、効率的に根管形成を行うことができる点は大学でも習いますので、それ以外のポイントについて挙げていきます。
・保険点数
保険点数については今年度からNi-Tiファイル加算が算定できるようになりました。
3、4根でCT撮影をしている歯について算定可能です。
ハートフルにはマイクロスコープ、CTがあるのでそれらの算定もします。
合計すると、根管充填の点数は約2100点となります(何も加算がない場合、約400点)。
・ファイル破折のメカニズム
ファイルが破折する際には、2種類のパターンがあります。
① ねじり破断→根管壁に食い込んだ状態で回転力が加わり、ねじ切れる
② 周期疲労破断→根管湾曲部で外湾側が伸び、内湾側が縮むのが繰り返されて金属疲労が蓄積し、破折に至る
・これまでのファイルとの違い
これまでもハートフルにはNi-Tiファイルはありました。
しかし、REファイルはマルテンサイト相のファイルであるという点が違います。
1993年に第1世代と言われるNi-Tiファイルが登場し、2015年にマルテンサイト相を持つ第6世代のNi-Tiファイルが登場しました。(これまではオーステナイト相)
マルテンサイト相は写真のように、形状記憶性があります。
これは熱を加える事で、元の真っ直ぐなファイルに戻ります。
熱を加えても元に戻らなければ、ファイルに疲労が蓄積しているサインとなります。
オートクレーブ後に形状が戻らなければ破棄をするという院内ルールを定め、ファイル破折の予防をしていきます。
それに比べ、今までのオーステナイト相は破断までの予測が不可能です。
予防としては、使用可能根管数を制限する事しかできませんでした。
ステンレススチールに比べて利点がある分、欠点もあります。
このようなファイルの特性を理解した上で、練習に移ります。