こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。

今回から、Ni-Tiファイルを用いた根管形成練習の様子をお伝えしていきたいと思います。
練習には、抜去歯を用います。
研修医の間はよく抜去歯でセラミック形成の練習をしたのが懐かしいです。
歯牙を手で持って練習しますが、いろんな角度から見ることは、自分へのフィードバックも多くなります。

智歯が多いので、難しい根幹が多くなってしまいますが、練習にはちょうど良いかもしれません。

予め根管の形を把握したいため、レントゲン撮影をして確認します。

髄腔開拡を行なった後、手用の15番ステンレススチールファイルで穿通させます。
Ni-Tiファイルが穿通させるファイルではないです。必ずSSファイルで穿通させます。

穿通させたら、Ni-Tiファイルの出番です。
ファイルスタンドに、使うファイルを順番にセットしてあるので、左端のものから使っていきます。

根管形成方法はフルレングステクニックで行います。
ファイルの回転数、トルク値はエンド用モーターに設定された値にします。
マルテンサイト相のファイルはねじれ破折に弱いので、トルク値は低くすることが大切です。

ファイルは常に動かします。削片を外に出し、目詰まりを起こさないようにします。
ファイルが1度根尖に到達したら、その号数での拡大形成は終わりです。
何度もファイルを動かしていると根管の偏移につながってしまいます。
また、ファイルを変えるごとに必ず根管内の洗浄を行います。

これらのポイントを意識することで、破折のリスクを除いていきます。

これは、練習をしたときの根管形成前とあとの写真です。
根管の偏移が起こってしまっています。


指導医にフィードバックをもらい、反省を次に生かします。
次は、写真のようにきれいに形成することができました。



このような練習を、抜去歯10本程度で行いました。
使用しての感想は、形成スピードに圧倒的な差があります。
ただやはり、注意する点は多いです。

一番大切なのは患者さんに最適な医療を行うことです。
注意点をしっかり把握した上で、治療に臨んでいきたいと思います。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科