歯科研修医「研修医こそ使うべきマイクロスコープ」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
本日は研修医の先生にマイクロスコープを使ってもらいたい思いから、ブログを書きます。
歯科医療において普及してきたマイクロスコープですが、簡単にその利点と欠点をまとめます。
利点
拡大視野で見える
姿勢よく治療できる
光の軸と視野の軸が一緒のため、対象が明るく見える
術者の視点で手技の記録ができる
欠点
慣れが必要
高価
これら利点と欠点は、言われたら納得できるものです。
次に実際にどのような症例で使っているのかです。
まず、根管治療では必ず使用しています。
しっかり根管口を目で見て確認しないと、治療ができません。
齲蝕チェック、破折線チェックにも用いています。
コンタクトカリエスや、破折線は非常に見えにくいものがあります。
裸眼だけでは確信を持って診断を下せない時、マイクロを使います。
確信を持たないまま歯は削れません。
コアやポスト除去でも有用です。
歯質との境がわかるので、パーフォレーションのリスクを減らせます。
以上を踏まえて、なぜ研修医こそ使うべきだと思ったのか説明します。
大学時代にはたくさん臨床に関する勉強をしたと思います。
しかし、実際に患者さんの歯を目の前にして見る機会は少なかったはずです。
頭では分かっていても、実際の感覚は学べません。
例えば、際根管治療時のガッタパーチャ除去。
治療の手順は、
根管治療用の超音波チップによる熱でガッタパーチャを溶かす。
マイクロエキスカと呼ばれる器具(耳かきのような形)で掻き出す。
この時、ガッタパーチャをどの程度熱して、
エキスカをどの方向で、どの程度の力をかけて使用すればいいのか、
マイクロで直接見ながら行えば、その感覚が明確にわかります。
これは、治療スピード、治療技術の向上につながります。
そして、マイクロスコープはいきなり使えるようにはなりません。
歯科医師になってすぐ、それが使える環境で診療していることが大事だと思います。