歯科研修医「即時義歯の装着とその治療過程」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
研修医ブログでは、根管治療やセラミック治療などについて多く取り上げています。
ですが、GPを目指していると、義歯症例にも取り組みたいと思うはずです。
ハートフルでもしっかり義歯の治療もしておりますので、その様子をお伝えしたいと思います。
今回は、上顎の部分床義歯を新製しました。
口腔内の状況としては、抜歯適応の歯牙1本と2次カリエス歯2本がありました。
歯を抜歯するにあたって、増歯増床の必要があります。
しかし、旧義歯は顎堤粘膜との適合不良、床面積が少ないなどの問題がありました。
修理するよりも、新しいものを作成した方が適合良好な義歯ができると判断し、患者さんに提案させていただきました。
当院は担当医制ではないですが、義歯症例については1口腔単位で診療に当たりたいと考えました。
患者さんに許可を得て、義歯完成まで担当させていただくことにしました。
義歯新製が決まったら、マウスプレパレーションから治療にあたります。
義歯を装着するに先立ち、より良い治療効果を上げるために行う前処置はいくつかあります。
今回行ったのは、ブリッジ除去とレストシート付きのインレーの装着です。
その後咬合採得まで済ませ、義歯を完成させた状態で抜歯します。
抜歯当日には義歯が完成している状態にして、即時義歯のセットを行います。
義歯の設計については上席の先生方や技工士さんにも相談し、意見をもらいました。
自分の中での最大限の知識を使っても、先生方の臨床経験によるアドバイスは敵いません。
考慮した点としては、最後方臼歯の遠心にもレジン床を置き、今後歯牙が抜歯になっても修理しやすいように工夫したり、骨の吸収度合いを見て、クラスプをかける歯を選択するなどしました。
セット後には患者さんに使用状況をお聞きします。
義歯はセットしても治療は終わりません。
そこから細かな調整をしていきます。
反省点もいくつか挙げることができたので、今後の調整で改善していきます。