歯科研修医「トライオートを用いた根管形成」
こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。
ニッケルチタン ファイルのエンドモーターのであるトライオートが、注文してから数ヶ月待って、納品されました。
ニッケルチタン ファイルの保険収載にあたって、注文が多かったようです。
本日は、その特徴や使用してみての感想をお伝えします。
特徴1
回転の種類
OTR(Optimum Torque Reverse)機能
切削回転中に、過剰なトルクがかかった際に反転することで、ファイルの破折を予防する
特徴2
OAS(Optimum Apical Stop)機能
モーター自体に根管長測定機能がついており、作業長位置で自動的にストップ・リバースし、根尖の破壊を予防する
実際の症例では、写真のようになります。
右下6番の抜髄症例です。
ニッケルチタンファイルを用いて根管拡大形成を行い、その後根管充填を行った後のデンタルレントゲン写真です。
近心根を見ていただけるとわかると思いますが、しっかりとオリジナルの根管の湾曲に沿って根管形成がされています。
CT、マイクロスコープ、ラバーダムも駆使して治療をすることができました。
患者さんは来院時には自費診療について迷われていましたが、補綴はセラミック治療を希望されました。
最新の機器を用いた治療と丁寧な説明により、患者さんのお口への関心度を上げることができたと思っています。
セラミック治療は口腔内スキャナーを用いた1day treatmentとなります。
ニッケルチタン ファイルとモーターを使ってみて、最小限の歯質切削による根管形成を行うことで、良い医療を提供できていると感じています。
しっかりと練習を行った上で使用していますので、ファイルが折れないように注意を払うことができています。
手用ファイルと比べて圧倒的な治療時間短縮にはなってはいませんが、それはこれから機械の取り扱いに慣れていきます。
デジタル化、機械化が進んでいる歯科治療。それは医療の効率化、質の標準化につながります。
若いドクターほど、積極的に使っていくべきだと考えます。
研修医のみなさんも、根管治療について興味を深めていただけたら幸いです。