こんにちは。ハートフル総合歯科グループの歯科医師、遠藤和樹と申します。

本日は、ハートフルで行っている治療について紹介したいと思います。
昨年、下田理事長が「歯は抜くな!」というタイトルの本を出版しました。
そのタイトルにある通り、当院の治療ではなるべく歯を残す治療を行っています。
他院で抜歯の診断を受けた歯についても、残すことができるかもしれません。

今回は、歯髄温存療法(VPT:Vital Pulp Therapy)について紹介したいと思います。
その第一回として、治療の概要をお伝えします。

VPTとは、外傷による露髄や、齲蝕による露髄が起こった歯に対して、細菌に感染してしまった組織を取り除き、健康な歯髄を温存する治療です。

成功率は70―90%と言われています。
炎症の大きさは症例により様々ですので、割合に幅があります。

大まかな治療手順は、、、
1、 VPTの適応症か診断
2、 感染象牙質、歯髄の除去
3、 歯髄からの出血があることを確認し、その後止血
4、 MTAセメントを充填
5、 CR充填
6、 後日、歯髄反応診断
このような流れとなっています。
もちろん、治療ではラバーダムを用いています。

このときに使用するMTAセメントは、1990年に米国で開発されたもので、VPTの他にアペキシフィケーション、パーフォレーションリペア、逆根管充填などの治療に用いられます。

このセメントの特徴は、生体親和性があることです。
組織に触れることで硬組織を形成し、為害性なく効果していきます。
セメントはpH12なことで、抗菌性もあります。
ほとんどの歯科材料が、湿潤状態を苦手にしていることに比べ、MTAセメントはそんな状態でも硬化してくれます。その結果、良好な封鎖性を得られることが特徴です。

MTAセメントは保険治療に適応することができないので、自由診療となります。
VPTの場合は、被せ物のセラミックと合わせて15万円の治療費で行っています。(MTAセメント分は5万円)

以上がVPT治療の概要となります。
次回は、治療の様子を実際の写真を見ながら追っていきましょう。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科