「ネクストビジョン」 での新しい臨床の形
これは、「ネクストビジョン」というデジタル顕微鏡を使っている臨床です。
根管治療をしています。
50インチ のモニターに目一杯歯の根っこの断面が写っています。
従来は、顕微鏡を覗きながら治療をしていました。
最近は、モニター越しに画像を見ています。
開業以来の15年、マイクロスコープを使い始めて
覗く姿勢に慣れているせいもあり、ぎこちなさもあります。
しかし、今回50インチのモニターに目一杯写された映像は、
ピントのズレなども含めてしっかり見えます。
(モニターが大きくピントが合わせやすいことが、重要なんです。)
関節の数というか、ネクストビジョンの光とレンズの入射角度が
通常のマイクロスコープよりも広範囲な為に、
左手でミラーを使わずに治療できる範囲が広がっています。
顕微鏡は、光を鏡に当てて方向を変化させています。
ネクストビジョンは、デジタルカメラの映像をコードを通じて
モニターに写し出します。
コードになったおかげで、下からあおった画像が、
更に首を上下左右に振る事で、従来よりも広範囲の画像が
直視の様に見えることが可能になります。
これは、女性の胸に顔を乗せて鼻の穴を覗き込む様な姿勢が
いやらしくなく、可能となるのです。
伝わるかなぁ?
狭い口腔内を直視で治療することができる。
これは、夢の世界です。
頭の重量が、仮に10kgとするとボーリングの玉と同じイメージです。
その重たい球を、肩、背中、腰で支えながら
不自然な姿勢で治療を行うのが歯科医師の寿命を削っていると言われています。
このネクストビジョンを使うことで、
肩や腰など職業病と言われる痛みからの解放が可能となるでしょう!
ミラーテクニックを否定しませんが、鏡面反射して反対に見えたり、
動く顕微鏡の絵は、テクニカルスキルを要求されます。
デジタル化の波をここでも感じています。
全ては、患者さんの笑顔の為に・・・
下田孝義