みなさんこんにちはハートフル総合歯科の野田裕亮です

今月は失活歯(根管治療済みで神経の無い)を移植歯とした抜歯後待機移植について
ご紹介しています。

前回までで移植床の骨の露出まで行いました。
前回までのブログはこちら

今回は前回話しそびれてしまったインプラント用ドリルについての話を。

移植床の形成にはインプラント用のドリルを使われる先生が多くいらっしゃいますが

何を使用しているかは先生によって異なります。

私は無注水低速回転ドリルをメインに移植床形成を行なっています。

なぜそれを使用しているか。
理由は大きく分けて2つあります。

一つ目は骨切削時の発熱を抑える目的
二つ目は骨切削時の自家骨を採取する目的

です。

一般的に使用されるインプラント用ドリルでは
ブレずに骨切削を行うために高速回転ドリルを使用します。
高速回転ドリルでは骨に発熱を生じ骨吸収につながってしまうため
通常は注水下でドリリングを行なっていきます

私の使用するインプラント用ドリルはBicon社製の低速回転ドリルです
低速回転のため骨切削時のブレはありますが、
インプラントと異なりややゆとりを持った移植床の形成が望まれる移植手術では
むしろ都合がいい。
この程度のブレは全く問題ありません。

むしろ2つ目の目的である「自家骨が採取できる」
これが大きなメリットです。
通常自家骨が欲しいとなれば別の部位から歯肉を切開して削り取ってこなくてなりません。
手術の範囲が増えるため患者さんの負担も考えなければなりません。
それに比べ移植床の形成を行いながら移植歯の生着を助ける最大の味方が
採取できるのはとても魅力です。

以上のことから移植時には無注水回転ドリルを使用する。
これが私が歯牙移植を行う上で最も大事にしていることです。

本日はここまで。

手術の流れから大きく脱線してしまいましたね。
続きは次回にしますね。
次回のブログも是非ご覧ください!

もし歯が保存不可能と診断されたとき、もしかしたら「歯の移植」があなたを救うかもしれません。

次回は移植手術編③をお送りいたします。
手術の流れの続きについて解説していきます!

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

医療法人社団徹心会ハートフル歯科