20120318 接着を基本とする歯科治療(ICDE IN フランス)
近年、接着性のセメントの科学は、大きく進歩しました。
接着の技術、材料の進化は、目まぐるしく、歯質の保存の概念は、変わってきた。
むし歯治療は、虫食い修復で行い、神経を取り除かない治療を行う。それが最先端。
歯牙の保存、自分の歯で生涯、食事が出来るように過ごす。そんな医療が可能になりました。
接着材料、技術で歯科治療が、歯の生涯のサイクルを、治療が変わってしまった。
科学技術の進歩が治療を変える。
今までもそうだった。
走って物を運ぶ時代に、馬や牛など家畜が登場し、車や飛行機、船が常識となっています。
テクノロジーが生活を変え、寿命さえも伸ばしています。
人生50年 戦前までは、そう言っていた。
平成に入り、人生は80年、100歳まで生きることが可能になってきた。
歯科医療も接着の科学が大きく前進し治療が変わっていく。
多くの歯科医師は、それに気づいていない。
天然歯を見て、天然歯のなくった部分を復元、再現する。
接着技術が維持形態(取れないように、大きく削ること)を不要にした。
悪くなった部分(むし歯)、失った組織だけを置き換える(インプラント)
代換え医療という内容で、歯科医療は、意味合いが変わっている。
この辺りは、今までにない概念となってきた。
従来の削って銀歯、歯を抜いて入れ歯、もう時代遅れと言われてた。
だからこそ、今まで以上に、しっかり見る、視る、診る、これが最重要になってきた。
その為に拡大視野は必須となっている。(5月4台目のマイクロスコープが導入される。)
しっかり見ること
歯科医からの目線(歯質の保存、歯牙の保存)
患者さんからの目線(審美的な欲求))
人生そのものからの目線(噛める喜び、健康、笑顔、継続性)
目線によって、異なる結果が生まれる。
審美的な要求だけでは、おかしな結論になる。
歯科医師が接着について見識を深め、その進化に対応する、患者さんの幸せにすることが重要である。
現在の歯科医療に対して、接着が大きな変化をもたらせていること、フランスの研修を通じて痛感した。
下田孝義