セレックの新しい使い方
嘔吐反射は、皆さん ご存知ですか。
歯医者さんで型どりをするときに起こる、
「ゲーゲー」となる瞬間。
それが嘔吐反射です。
それが極度にひどいと、唾を吸引する。鏡で舌をおさえられる度に、「ゲーゲー」となってしまいます。
そのひどい方、自ら歯科診療を拒み、30年間歯科治療が受けられなくなった方の話です。
初診時、本人の申し出から、嘔吐反射があると当院でも理解しておりました。
多くの方がセレックを使用して、粘土を入れる型どり不要の治療を行い「苦しくなかった。」との
お言葉を頂いております。
しかし、この患者さんは、その歯型を取る前の段階、虫歯治療、削ることさえもうまくできなかったのです。
それもそのはず、水を吸い取るたびに「ゲーゲー」
舌を切らないようによけようと鏡で抑えると「ゲーゲー」
治療にならなかったのです。
そんなに嘔吐反射がきつい方には、20年の歯科医師人生で出会ったことがありません。
数本の歯を失っても、なお 治療が受けられない。
なんとかしてげあげたい。
そこで、麻酔科の先生と相談して、静脈内鎮静法とセレックを組み合わせて 短時間で一気に治療を終わらせようと計画しました。
静脈内鎮静法とは、簡単な点滴麻酔で眠ってもらう方法です。全身麻酔と異なり入院など必要なく、日帰りで行える眠りながら行う治療法です。
麻酔科医を必要としますが、事故など心配の必要な安全な治療法です。
以前、インプラント手術も静脈内鎮静法で行っておりましたので、その型どりも行っております。
10時:麻酔開始
10時15分:虫歯治療開始
11時:セレックによるカメラ撮影(型どり)
11時ー12時まで、インプラント被せ物、むし歯のセラミックによる詰め物制作
12時:口腔内装着
12時半:治療終了
製作時間も眠ってもらっていました。
短時間でセラミック歯が、できるセレック治療だから眠っている合間で被せ物が完成できるのです。
麻酔科医+セレック治療の連携によって、30年間むし歯治療ができない、歯がないままの患者さんに福音をもたらすことができました。
患者さんは、「歯科治療がこんなに進んだから僕にも歯が出来ました。」
と感動されていました。
嘔吐反射でお困り方にも、セレック治療は、最善な治療となります。
全国の嘔吐反射でお困りの患者さんには、セレックを導入している歯科医院で治療を受ければかなりの確率で、治療が可能になります。
お近くのセレック対応歯科医院に相談していただけると解決につながるかもしれません。
また、このプログを読み、麻酔科医と連携してセレック治療を行おうとお考えの先生方へ
バッカルショットは、嘔吐反射の方でも可能です。
鎮静中は、普段のかみ合わせを再現することが難しくなります。
鎮静前にバッカルショットだけは、先に行うことをお勧めします。
「全ては、全国の患者さんの笑顔の為に・・・」
下田孝義