近年、接着性のセメントの科学は、大きく進歩しました。
接着の技術、材料の進化は、目まぐるしく、歯質の保存の概念は、変わってきた。
むし歯治療は、虫食い修復で行い、神経を取り除かない治療を行う。それが最重要です。
歯牙の保存、自分の歯で生涯、食事が出来るように過ごす。そんな医療が可能になりました。
接着材料、技術で歯科治療が、歯の生涯のサイクルを、治療が変わってしまった。

科学技術の進歩が治療を変える。
今までもそうだった。
走って物を運ぶ時代に、馬や牛など家畜が登場し、車や飛行機、船が常識となっています。
テクノロジーが生活を変え、寿命さえも伸ばしています。
人生50年 戦前までは、そう言っていた。
平成に入り、人生は80年、100歳まで生きることが可能になってきた。

歯科医療も接着の科学が大きく前進し治療が変わっていく。
多くの歯科医師は、それに気づいていない。

天然歯を見て、天然歯のなくった部分を復元、再現する。
接着技術が維持形態(取れないように、大きく削ること)を不要にした。
悪くなった部分(むし歯)、失った組織だけを置き換える(インプラント)
代換え医療という内容に歯科医療は、意味合いが変わっている。
この辺りは、今までにない概念となってきた。
従来の削って銀歯、歯を抜いて入れ歯、もう時代遅れと言われている。

だからこそ、今まで以上に、しっかり見る、視る、診る、これが最重要になってきた。
その為に拡大視野は必須となっている。(5月4台目のマイクロスコープが導入される。)

しっかり見ること
歯科医からの目線(歯質の保存、歯牙の保存)
患者さんからの目線(審美的な欲求))
人生そのものからの目線(噛める喜び、健康、笑顔、継続性) 

目線によって、異なる結果が生まれる。
審美的な要求だけでは、おかしな結論になる。
歯科医師が接着について見識を深め、その進化に対応する、患者さんの幸せにすることが重要である。

現在の歯科医療に対して、接着が大きな変化をもたらせていること、フランスの研修を通じて痛感した。

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科