私は投資を長く続けていますが、最近、自分のNISA口座を見ていて面白いことに気づきました。

最初に積み立てていたのは**オルカン(全世界株式)**でした。

その後、S&P500、さらにFANG+へと興味が移り、オルカンへの積み立ては2024年7月頃で終了。

オルカンに実際に入れた金額は、わずか35万円です。

それからは買い増しもせず、そのまま放置していました。

ところが2026年8月、久しぶりに確認してみると、

35万円 → 約58万円

になっていました。

評価益は約23万円。

約+65%です。

もちろん、これはこの期間の株価上昇や為替などにも恵まれた結果です。今後も同じように増えるという意味ではありません。

それでも、自分のお金で経験したからこそ気づいたことがあります。

一番長く置いていたお金が、一番育っていた

現在、私のNISAではオルカンだけでなく、S&P500やFANG+も保有しています。

ところが利益「率」で見ると、一番高かったのは、途中で積み立てをやめてしまったオルカンでした。

なぜなのか。

一つの大きな理由は、時間だと思います。

オルカンが特別優秀だったから、という単純な話ではありません。

私のNISAの中で、オルカンに入れたお金が一番古かった。

つまり、一番長く市場の中にいたお金だったのです。

「何を買うか」ばかり考えていた

投資を始めると、

「オルカンとS&P500ならどちらがいい?」

「NASDAQ100の方が伸びるのでは?」

「FANG+ならもっと儲かるのでは?」

と考えます。

私自身もそうでした。

でも、この2〜3年を振り返ると、オルカン、S&P500、NASDAQ100、FANG+にはもちろん違いがあるものの、短い期間では必ずしも「集中している指数ほど圧倒的に儲かる」とは限りません。

FANG+なら、構成銘柄の一つが大きく下落すれば指数全体への影響も大きくなります。

NASDAQ100なら、より多くのテクノロジー企業や半導体企業に分散されます。

S&P500なら、さらに幅広い米国企業。

オルカンなら世界中の株式です。

つまり、それぞれ役割が違うのです。

「どれが絶対に正解か」という話ではありません。

卵を一つのカゴに入れない

投資には、

「卵を一つのカゴに盛るな」

という有名な言葉があります。

分散すれば、一社の失敗による影響は小さくなります。

反対に集中すれば、当たったときの上昇も大きくなります。

だからFANG+とNASDAQ100を単純に「どちらが優秀か」で比較することにも、あまり意味はありません。

目的が違うからです。

そして個別株になれば、さらに集中度は高くなります。

私は個別株では、企業の決算を確認しながら仮説を立て、実際に投資し、その後の決算で検証することを大切にしています。

つまり、

Plan → Do → Check → Action

投資もPDCAなのだと思っています。

でもNISAには、もっと単純な勝ち方がある

一方、長期の積立NISAについては、最近少し考え方が変わってきました。

どの商品が一番上がるかを当てること以上に、

早く始めること。

これが非常に重要なのではないかと思っています。

投資の将来価値は、大まかに考えれば、

元本 × 利回り × 時間

によって大きく変わります。

私たちはどうしても「利回り」に目を奪われます。

しかし、自分で比較的コントロールしやすいものがあります。

それが時間です。

20歳で投資を始めた人と、40歳で始めた人。

同じ100万円でも、その100万円に与えられる時間はまったく違います。

35万円が教えてくれたこと

今回の話で私が気に入っているのは、金額が35万円だったことです。

もし、

「3,500万円が5,800万円になりました」

という話なら、多くの若い人にとっては自分とは関係のない話になってしまいます。

でも、

35万円が58万円になった。

これなら学生や20代の人にも現実味があります。

特別な投資テクニックを使ったわけでもありません。

途中から買い増しすらしていません。

ただ、市場から出さずに置いておいただけです。

だから私が伝えたいのは、

「オルカンを買えば65%儲かる」

という話ではありません。

まったく違います。

私が伝えたいのは、

35万円がすごいのではない。
35万円に与えた「時間」がすごかった。

ということです。

NISAは「時間を入れておく金庫」

私は最近、NISAを一種の金庫のように考えています。

ただし、普通の金庫とは違います。

中に入れたお金が、市場の中で働き続ける金庫です。

しかもNISAなら、制度上の非課税メリットを受けながら長期保有できます。

もちろん、投資なので値下がりすることもあります。

それでも、当面使う予定のない余裕資金なら、

入れる。
市場に置いておく。
時間を与える。

という考え方は、とてもシンプルです。

若い人が持っている最大の資産

投資を長くやってきて、最近ますます感じることがあります。

若い人が持っている最大の資産は、最初から大きなお金を持っていることではありません。

時間です。

50代になってから1,000万円を持って投資を始める人より、20代で少額から始めた人の方が、圧倒的に長い時間を持っています。

だから、

「オルカンにしようか」

「S&P500にしようか」

「NASDAQ100かな」

と何カ月も悩むより、十分に理解できる商品を選んで、少額からでも早く始める。

そして続ける。

それだけでも大きな意味があります。

投資は、実験して、結果を見て、検証して、修正する。

株式投資も経営と同じで、PDCAなのだと思います。

10年近く市場と付き合っていると、ようやく見えてくるものがあります。

どの株が上がるかだけではありません。

時間、分散、集中、入金、継続。

それぞれに役割があります。

そして今回、35万円のオルカンが、私に一つの大切なことを教えてくれました。

若いうちの投資では、最高の商品を探すこと以上に、最高の「時間」を手に入れることが大切なのかもしれない。

NISAは、その時間を入れておくための「非課税の金庫」。

私は今、改めて気づきました。

※本稿は私自身の投資経験について紹介するもので、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。

下田孝義

医療法人社団徹心会ハートフル歯科