インプラント周囲の「歯肉」が長持ちのカギになります!
「インプラントは骨にしっかり埋まっていれば大丈夫」
そう思われる方も多いのですが、実はインプラントを長く守るためには、周囲の歯ぐき(角化歯肉)がとても重要です。
長期予後→歯肉で変わる と言って良いと思います。逆に10年以上使って欲しいと術者の願いと思いが歯肉へのこだわりになります。
今回の症例では、インプラント周囲の角化歯肉が不足していたため、上顎の口蓋(上あご)の粘膜を採取し、遊離歯肉移植術(Free Gingival Graft:FGG)を行いました。
術後3か月で、インプラントの周囲にはしっかりとした角化歯肉が形成され、健康的で安定した歯肉環境を獲得することができました。
「患者さんも歯ブラシしやすくなった。」と喜んでいました。
なぜ角化歯肉が必要なのでしょうか?
インプラントには天然歯のような歯根膜がありません。
そのため、インプラント骨造成後に歯ぐきが薄く柔らかい、ぷよぷよした(可動粘膜)ままだと、
- 歯磨きのたびに痛みを感じる
- 清掃がしづらくなる
- プラークがたまりやすくなる
- 歯ぐきに炎症が起こる
- インプラント周囲炎につながる
という悪循環が起こることがあります。
一方で、十分な幅の角化歯肉があると、
・歯磨きがしやすい
・炎症が起こりにくい
・ 歯ぐきが安定する
・長期的なメンテナンスが容易になる
という大きなメリットがあります。
インプラントは「入れて終わり」ではありません
私たちは、
「骨に埋まったから成功」
とは考えていません。
インプラントが10年、20年と長持ちするためには、
- 骨
- 噛み合わせ
- 補綴物
- メンテナンス
- 歯肉(角化歯肉)
これらすべてのバランスが重要です。
特に歯肉は、患者さん自身が毎日ケアを行うための「土台」となる組織です。
ハートフル歯科医院の考え方
私たちはインプラント治療を、
「人工の歯を入れる治療」ではなく、長く噛める環境をつくる治療と考えています。
必要に応じて角化歯肉移植などの歯周形成外科を組み合わせることで、見た目だけでなく、清掃性や長期安定性まで考えた治療をご提案しています。
インプラントは、入れる技術だけではなく、その後何十年も守っていく技術が大切です。
これからも患者さんが安心して長く噛めるよう、一つひとつの処置を丁寧に積み重ねていきたいと思います。
下田孝









